体験記

クリエイト速読スクール体験記 '07

私が継続受講している理由

大学職員試験合格  清水 智樹

 私がクリエイト速読スクールの門を叩いたのは、今から2年以上前のことになる。この期間に「文章演習講座」を経て、現在77回目の受講を迎えている。
 なぜ、これだけの期間と回数を続けられたかというと、クリエイトの訓練は様々な目的に活用でき、また、根気さえあれば誰でも継続できる訓練という点が挙げられる。
 以下は、クリエイト受講の動機、効果、そして77回目を終えての私の変化を記したものである。

○速読に興味をもった理由
  • 情報処理能力の強化

 銀行に勤めており職業上高度な情報処理能力が求められていた。細かい作業が苦手であった私は入社以来情報処理能力を高めたいという強い願望が常にあった。
 時折、雑誌等で速読が紹介されており関心はあったが半信半疑でなかなか前へ進めなかった。

○クリエイトに決めた理由
  1. 日本経済新聞の速読特集でクリエイトが取り上げられていたこと。
    ⇒有名新聞社の記事による信頼性
  2. 体験レッスンの受講。
    ⇒決め手は講師の方の親身な応対と自分でも継続できる授業内容。
    • 親身な対応-よくありがちな強引な勧誘はなく、1つ1つこちらの話を真剣に聞いてくれた。
    • 授業内容-決して高度な能力は必要とせず、根気さえあれば誰でも自分の能力を高められる授業内容と思った。
    • 結論-上記1の「世間の評価」と2の「自分の評価」を総合的判断し納得した上で受講を決めた。
○「文章演習講座」受講
1.動機‐転職活動の筆記試験対策

 私は2001年から約6年間銀行で働いた。この6年間では実際に合併・リストラ等金融業界の再編成という厳しくもあったが非常に大きな経験ができた。
 そして次に注目したのが大学業界であった。全入時代を迎えた大学業界は大競争時代を迎え、これから注目される業界であると確信した。
 大学職員の採用試験は論文重視である。
 長年文章作成から遠のいていた私にとって「文章演習講座」によって文章作成の基礎を固めることができ、第一志望の大学職員試験に合格できた。

○継続受講のきっかけ

 50回目が最終講義であったが、私は迷わず継続受講の手続きを行なった。
 受講している間に「読書の世界」に引き込まれていたからである。
 それからは私の生活には読書が欠かせなくなった。以前は仕事に関連する実用書のみであったが、クリエイトに通うことから小説も読むようになり、自分の世界観がひろがった。今は実用書と小説を並行して読んでいる。
 また、本屋での立ち読みが増え、電車の中では常に本を携帯するようになり、時間さえあれば自然と本を読んでいる自分がいた。これは、今までではありえなかったことであり、読書の習慣が確実に定着していることを実感した。

○まとめ(様々な目的に対応できる訓練

 クリエイトに通う当初の目的は「情報処理能の向上」であったが、その後、「転職の筆記試験対策」、そして今は「読書の習慣の定着」と変化してきた。
 これは、様々な目的に対応できる訓練だからである。
 そして、受講する度に、自分が少しずつ成長しているように感じ、現在では脳のサプリメント的な役割を果たしている。また、クリエイトの訓練は根気さえあれば誰でも継続できる分かりやすいプログラムであったからこそ77回も受講することができた。
 私は時間がある限りこれからも通い続けたいと思っている。

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二味違う大学受験生活を送るために

一橋大学社会学部合格  羽生 彩華

<速読との出会い>

 高校受験を終えた私は大学受験のためにSEGに通い始めた。高1の夏のことだった。母は私に相談せずに、夏期講習の受講講座の中に「速読による能力訓練」を加えていたのだ。消極的だが、これがクリエイトとの出会いである。
 親戚や友人で速読をやっているひとがいなかったので、「速読の講座を申し込んだ」と初めて母に言われたときは、やっかいなものをと思った。私がしたいのは受験勉強であり、速読とやらではない。時間の無駄だと思い、夏期講習が憂鬱だった。

<訓練が楽しい!>

 実際に講習が始まると、それまでの憂鬱な気持ちは跡形もなく消えてしまった。ゲーム感覚で行う訓練は、自分の記録を更新したいという気持ちさえあれば誰でも楽しめる。自分でも驚くほど集中してしまう。訓練そのものが楽しいのだ! しかし、これで終わるのなら単なる遊びにすぎない。そこからが驚きの連続だった。読書をしたいという気持ちがどうにも抑えられなくなるのだ。

<若者の活字離れを速読で克服>

 ところで、若者の活字離れについて嘆く人が多い。私も読書量はとても少なかった。小学生のときは、夏休みの読書感想文のためだけに本を読む程度だった。
 中学生になったらもっと本を読もう。そうじゃないと、私も一般の生徒と同じになってしまう……。
 しかし、読書の習慣がついていないままなのだから、中学生になったからといって状況はほとんど変わらなかった。受験問題として論説文の一部を読むが、自主的にはほとんど活字に触れられないのだ。
 そんな私が、速読の訓練を通して読書欲でいっぱいになった。SEGの「速読による能力訓練」の初日を終えると、私は地元の本屋を渡り歩いた。それまで気にもかけなかったであろう本の題名が、私の興味をそそったのだ。しかも、訓練をしっかりやった後なので、文字がいっぺんに目に入ってきた。自分のこととは思えないような体験であった。

<クリエイトに通い始めた理由>

 SEGでの5日間の講座を終え、速読を封印させるつもりだった。受験が終わったらまたやればいいと思ったのだ。
 しかし、「速読による能力訓練」の講座を担当されていた松田先生が開いている教室がたまたま私の高校のそばだったので、在学中にクリエイトに通おうと決意した。速読をやっている女子高生なんてのも珍しくていいんじゃないかな、くらいのノリだった。受験のためというよりは、読書習慣をきっちりつけるため、という理由の方が強かった。もう典型的な活字離れした若者だとは言わせない、という意欲に満ちていた。

<受験と速読>

 受験科目に日本史と世界史があったのだが、私は高3の時点でやっと世界史の勉強を始めた。センター試験を世界史で受験するつもりだったので、10カ月で教科書の内容をマスターする必要があった。
 ちょっとした時間を見つけては世界史の教科書を開く毎日で、クリエイトに通う時間も少なくなっていた。
 夏休みに入る前にまとめてクリエイトに行こうと思い、久々に教室へ向かった。それまで受験と速読の関係をあまり意識したことはなかった。しかし、世界史の用語を記憶するときの脳の使い方が、速読の訓練をするときの脳の使い方に似ていることに気がついたのだ。短期間に暗記するにはどうすればいいかということに関するヒントを、速読を通して得た。
 速読の訓練をすればするほど、世界史の暗記の際の集中力が増し、逆に、世界史用語を暗記して頭を使えば使うほど、速読の訓練の自己記録は更新されていった。脳は退化しやすい、らしい。しかし、速読の訓練を続ければ、脳の働きは簡単には衰えないと思った。

<小論文と速読>

 速読の訓練で読書のクセがついたことは小論文に生きてきた。
 抵抗なく本を読めるので、知識や常識が身につく。そして当然のこととして、考える習慣がつくのだ。
 大学受験の小論文でよく言われるのは、どの生徒も同じようなことを書く、ということだ。
 教科書や小論文対策の参考書で覚えた表現をそのまま引用するからである。生徒は気づかないが、そこだけ浮いて見えるらしい。日頃から考える習慣をつけるべきだが、受験生に時間はない。それなら、速読で読書すればいいと思えるようになった。

<文演>

 松田先生の勧めで、クリエイトで文章演習講座(文演)を受講した。
 私は、1冊の本から情報を抜き取ることよりも、筆者の創りだした世界に入り込むことの方が好きだ。同じ本を何度も読む理由がわからない、と母は言うが、小説を読む際に私にとって本当に大切なのはストーリーではない。筆者が捉えた世界を追体験するよろこびを味わうのが好きなのだ。
 気に入った表現を見つけると、1日中ドキドキして仕方がない。自分にも何か書けるのでは、と思い、ノートを開いたこともある。
 しかし、1ページと埋まらないうちに挫折してしまう。
 私の文章は小説家のそれとは何かが違う……、でも何が?
 その答えは文演にあった。
 「人間はデジタルであることばを使って世界を捉えようとするが、我々が生きているのはアナログの世界だ」という表現に以前出会ったことがある。
 ことばを使うと、「あの人はかっこいい」「今日はたのしかった」というように、既成の表現しか使えない。表現を組み合わせれば状況はよりリアルに他者に伝わるが、それでもことばでは私たちの生きる現実の世界を捉えきれないというのだ。
 これだけ聞いていると、なるほど、とは思う。だが実感はわかないものではないだろうか。
 私は文演の授業を通して、アナログの世界に少し近づけたと思う。
 点から点への移動を丁寧にすることで、プロの小説家は私たちの前に世界をリアルに立ち上げているということに気づいたからだ。
 文演では、他人の文章を深く読み込み、改善できる点を他の受講生と絞り出した。この訓練から、自然な日本語について学べたと思う。
 日本語はきれいだ。日本語を使って生活するのなら、文演で日本語の美しさを再認識すべきである。
 最近は、ちょっとした感情を自分らしく表現することにはまっている。

<英作文と文演>

 得意科目は英語だ。
 中学生のときからこう言い続けていたのだが、いつのころからか英語力に自信を持てなくなっていた。原因は英作文だった。
 受験生の多くは自由英作文を苦手とするらしい。試験時間内に、自分の英語力でカバーできる内容を思いつかないためだ。
 私も同じ理由で成績が伸び悩んでいた。
 しかし、文演で丁寧な文章を書くクセがつくと、これを英作文に活かせないかということを考え始めたのだ。
 英語も日本語も、ことばには違いはない。だったら書き方だって同じはずだ。
 このことに気がついてから、英語の表現力も上がったのだ。中心となる内容さえ思いつけば、そこからどんどん広げていけばよいだけなのだ。描写に凝りはじめ、書きたいことが頭からあふれて止まらなくなっていた。
 得意科目は英語だ。
 受験が終わった今も自信を持って言える。

<最後に>

 受験生には時間がない。そのため、熱心な受験生ほど読書量が少ない。
 しかし、大学に入ってからは読書量がものを言うのが現実である。どんなに忙しくても新聞くらいは読むべきだと思う。
 来年、再来年が受験学年の方、今からクリエイト速読スクールに通ってみてはどうだろうか。
 一味も二味も違う、大学受験生活を送れるはずである。

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大きなアドバンテージをもって臨めた受験

東京大学文科Ⅰ類合格  西村 龍一

○はじめに

 クリエイトと出会ったのは中3の夏のことだった。当時SEGに通っていた僕は、夏期講習のパンフレットに記載されていたある意味異彩を放っていた「速読による能力訓練」という講座に強く惹かれた。

 元来読書が好きだった僕は、受験など全く意識していない中3時のことであるから純粋に読書のスピードをあがったらいいなという軽い気持ちで講習を受講した。当時速読というと、ワイドショーによく出ていた、本を目にもとまらぬ速さでパラパラとめくった後読みましたと言っているようなうさんくさいイメージしかなかった。しかし、クリエイトは3~5倍という実現できそうな数値を目標としてあげていたところに好感が持てたのだ。

 実際訓練を受けてみると、訓練自体ゲーム感覚で臨めて面白かったし、なにより短期間ながらじわじわと各訓練の数値が上がっていくことが楽しかった。自分の成長が実感できるというのが何事につけても何よりのモチベーションとなる。すっかり速読に興味をもった僕は、松田さんに教室を紹介していただいたこともあり、池袋の教室に通わせてもらえるよう両親に頼みこんでいた。ここで渋々ながらも両親が承諾してくれたことが少なからず受験の結果にもいい効果をもたらしたことは間違いない。

○受験生活と速読

 受験勉強に役にたったという観点からクリエイトの訓練をあげてみる。受験はいかに知識を覚えこみ、それを採点者に対していかにうまく表現できるかという単純なものである。特にこの覚えこむ段階において、速読およびその訓練は大きな効果を発揮したことは僕が保証できる。受験に必要なのはどれだけ長い時間勉強したかということではない。いくら量をこなしてもそれを本番の時に覚えていなければ何の意味もないのだ。すなわちいかに効率よく知識を覚えるかという集中力、そしてそれをいかに忘れないかという記憶保持力が肝要なのである。この二つの力はクリエイトの訓練で培うことができる。

 まず集中力。これはすべての訓練で必要とされるものであるので、真面目に訓練にとりくんでいればいつの間にか身についている。あえてとりわけ効果があったものをあげるならば、それはロジカルテストである。この訓練は曲解すれば、短時間で一つしかない正解を見つけ出すものであり、これは受験と通ずるものがある。僕はこの訓練には絶対に間違えずになおかつ一秒でも早く終わらせようという意識で臨んでいた。また少しそれるが、この訓練に限らず時間に追われながらも少しでもいい数値を出そうという意識を持って訓練に臨むことは、受験本番時の焦りを軽減する効果が確かにある。普段から追い込まれて頭を使うという経験をしておくことは、何十時間かの勉強よりははるかに効果がある。ここ一番で落ち着いて頭を働かせられるというのは受験に限らず、人生においてなにかと役に立つだろう。

 次に記憶保持力。はっきりいってこの点についてクリエイトの効果は絶大である。なにせイメージ記憶という、普通の人が意識して使っていない裏技ともいえる方法を鍛える訓練があるのだから。受験時代周りを見ていると多くの人が紙に何回も書きなぐったり、自分で暗記カードを作ってそれを始終めくったりしていたものだった。もちろん地道な努力は必要である。僕も相当数の勉強時間を費やした。しかし効率的に、しかも持続的に知識を覚えられるとしたらそれを使わない手はないだろう。

 僕は受験勉強を本格的に始めるのが遅かったことから、東大で必要な社会に手をつけ始めたのは高3になってからだった。世界史と地理を選択したのだが、結果から先に書くと各60点満点中で世界史44点、地理45点だった。これがどの程度の結果なのかわかりにくいと思うが、世界史が難化した本年度において、周りに社会で僕よりいい人は高校、塾、そして大学の友人を含めて2人しか知らないという点数である。

 なぜこのようなことを書いたかというと、ことに社会科目は先ほどのべたイメージ記憶という方法がそのまま使えるからである。また僕自身使ったからこそこのような結果をだすことができたのは間違いない。実際にどのように記憶するのかは体験なりをして自分でつかんでほしいが、ようするに世界史ならばその歴史を動かす場面に絡んだ場所や人物を、地理ならばある国がどのような特産品があり、またどのような民族問題を抱えているのかなどを、それぞれ想像しながら関連付けて覚えていくのである。

 この他にも英語の例文暗記、古文、漢文にもイメージ記憶は応用できた。繰り返すが知らないと損というレベルの話ではない。忘れていないというのは追い込み期において本当に大きな自信になるからである。僕自身高3の時はさすがに受験にかかりっきりで教室には通えなかったが十分受験に役立ったので、迷っている方はぜひ「体験レッスン」にいかれることをおすすめする。

○おわりに

 今まで受験について述べてきたが、もちろん受験に限らず速読は有用なツールとなる。当初より僕も読むスピードがかなり上がったため、気づけば手軽に読める新聞などは読むことがいつのまにか日課となっていたし、新書のようなものは待ち合わせの時間に少しといったような感覚でサラっと読めるようになった。

 法曹の道を志すものとして、また数年後には大学院受験、そして新司法試験受験は避けて通れない道であるが、クリエイトがこれらの試験に臨む僕を助けてくれることは確信している。また最近受験期には封印していた純文学の読書も再開したので、また伸びていく自分のスコアを楽しみつつ教室に通っていきたいと思う。

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私のクリエイト体験

皆川 佳代

  • 2010年度 第5回新司法試験合格
  • 2007年度 法科大学院 既習者コース受験
    (神戸正規合格 同志社補欠繰上げ合格 学習院正規合格 慶應補欠)

 2006年に行われた第1回新司法試験の結果、合格者数・合格率供に上位10位以内に入った法科大学院は、東大 京大 一橋 慶應 神戸の5校だけだった。そのため、とにかくこの中のどれかに合格したいと思っていた。

 法科大学院に合格するためには、適性試験と法律試験両方の能力が必要になる。

●クリエイトとの出会い

 私は適性試験がひどく苦手だった。適性試験とは、法科大学院受験をするために必ず受けなければならない試験であり、論理パズルや大量の長文読解を限られた時間で解かせることで事務処理能力や理解力を試すものだ。

 2006年度法科大学院受験のため適性模試を初めて受けた際、なんと100点中16点しかとれず呆然とした私は、予備校で設置している適性試験講座を受講し、模試も10回受けて訓練した。しかし、本試験結果は42点で、平均点より14点も低かった。

 幼い頃からこのような知能テストの類は大嫌いで、できる限りそういうものから逃げてきたというのに、今さらなぜこのような目にあわなければならないのかと世を恨んだ。教わったからといって出来るようになるものでもなく、自分の知能にかかっている問題なのだから伸ばしようがない、もうどうしようもできないと思った。

 家族との夕飯時に、「こんなのできないよ!!!!!」と泣きわめきながら問題を破り捨てた。母と祖母が目に涙を浮かべて、苦しそうに私を見ていた。家族全員を真っ暗な雰囲気にしてしまった。

 途方にくれながらも、私には法律家に求められている能力の一つが、法律家を目指す人達の中でも相当劣っていることを自覚せざるをえなかった。

 この成績では書類審査(一次試験で適性試験の成績等を審査して、法律試験を受けさせる前に足きりをするタイプの審査)で落とされると確信し、書類審査をしない大学院(慶應、中央、上智)だけを受けたが、すべて落ちた。

 もっとも慶應には、私と同じ適性試験の点数でも法律の実力がついていた友達は合格したので、私は法律もできなかったために落ちたことが分かった。このまま入試を続けるより2007年度入試に向けて適性試験の勉強と法律の勉強とをしようと考え、2006年度受験はここで終わらせた。

 自分には適性試験に必要な事務処理の能力と法律とが足りないことは明白だが、どちらがどれくらい足りないのか分からなかった。井戸の底の底まで突き落とされたような、先の見えない暗く重い心中で大型書店へ行き、何か糸口を見つけようと目についた本をひたすら買物カゴに放り込んでいった。

 帰宅して一冊一冊見てみると、その中にクリエイト速読スクールの黄色い本『速読らくらくエクササイズ』があった。そこには司法試験合格者の体験記が載っていた。……おっ!?

 体験受講をしてみることにした。体験受講したあと、松田先生に「体験の数値を見る限り、平均よりはずっとできているから情報処理能力はこちらで磨けばよいと思います。専門の法律の勉強をもっとがんばってみてください」と言われた。

 その言葉を聞いたとき、井戸の底からうっすらと光が見えたような気がした。どちらも全くできないわけではないようだ。「情報処理能力」はクリエイトで伸ばし、私個人としては法律をもっときちんと勉強すればよいのだ!

 その後1年間、クリエイトで速読トレーニングと文章演習講座の両方を受講した。
 その結果、2007年度入試適性試験で70点とれ、平均点を6点超すことができた。法律家を目指すみんなに並ぶという目標を達することができた! そして、必死に勉強した法律も実り、神戸大学に正規合格できた。

 私のクリエイト体験は受験生活と一心同体であったため、受験生活の経過と供に書いていこうと思う。

●適性試験

 私は適性試験の文章が読めなかった。ページ数が多いので、最初に書かれていた内容を忘れてしまい、何度もいったりきたりしなければ頭に入らず時間不足という始末だった。

 ところが、速読に通いだしてからは文章をイメージに置き換えて読むようになったので、速く良く理解できるようになった。また、文章の構造が頭の中でくっきりしてくるようになった。イメージ記憶訓練ロジカルテストが効果的だった。

 このことから重要なことに気づいた。それは、私は長期記憶は優れていて、いったん飲み込んだらどんどん応用が利くが、それに至る前の短期記憶能力が欠落していて、だから文章をすぐ理解できないということだ。それを強化するには文章をイメージに置き換えることが重要で、クリエイトのトレーニングはまさにその能力を進化させる訓練であった。

 さらに、文演で接続詞の正しい使い方や、文章の書き方を教わったことで、並べ替え問題がスッと解けるようになった。

●法律の論文

 文演で一般人が書いた文章をたくさん読まされたことで、採点者の視点で文章を読むことができた。

 読点(、)が多い文章はとても読みにくかった。また、形式面で指定されたとおりに書けていない文章もあり、これに対しては「形式さえ問いに答えないのだから、こちらの話をまともに解釈できやしないだろう」と切り捨てたくなった。

 そしていずれの文章とも、「まだいくつも見なければならない文章があるときに、こんな文章をゆっくり読んでいられるか!」という気持ちになった。おそらく採点者はこういう気持ちで数多くの答案を読み飛ばしているのだろう。これを体験できて本当に良かった。

 慶應を受ける1ヵ月前から法律の勉強で精一杯になってしまい、速読に通わなくなった。慶應本試験では緊張しすぎてあがってしまった。大学時代にお世話になった教授の顔が浮かび、彼らに採点されるのだから絶対に失敗は許されないのだと自分で自分に圧力をかけてしまい、もうどうしようもなく真っ白になってしまい、思うように書けなかった。

 慶應に入りたいという気持ちが強すぎて、何もかもぶっとんでしまった試験となった。帰りの電車の中で悔しくて大泣きした。地元に着いたが家に帰れず、ふらふら失踪して家族に心配をかけてしまった。結果は補欠の下の方だった。

 次の週に同志社を受けた。緊張しないようにリラックスしようと思って受けた。試験後、絶対に受かったと思いながら問題文を見直して撃沈した。今度はリラックスしすぎて、民法の問題文の一部を読み落としてしまっていた。「請求できるか。できないならその理由を、できるならその理由を、それぞれ述べなさい」という問題だったのに、「できない」と考えた私はその理由しか書かなかったのだ。これでは配点がないので落ちたと思ったが最終的には繰り上げ合格となった。

 しかし、このようなミスは絶対してはならない。契約書に目を通すことが仕事である弁護士を目指しているのに、問題文を読み落とすという有り得ない失敗をするなんて。この失敗は、今後の教訓としなければならないと思った。

 この経過をじっと見守っていた松田先生が心配して、「あなたの強みはクリエイトを知っていることです。国立も受けるなら速読に週1は通ったらどうですか? 過去に合格した人達は直前まで通ってた人多かったですよ」と声をかけてくれた。

 法律うんぬんよりも、本番での集中力が足りないのだと反省して、2ヵ月後の神戸大入試に向けて再び週1のペースで速読へ通い始めた。

 神戸大学の試験本番の朝、問題文を読み飛ばすような同志社の二の舞にならないように、視野を広げかつ脳がリラックスできるヘルマンシートランダムシートをやってから試験会場へ向かった。

 神戸大の行政法の試験は長文の資料を参考にさせながら書かせるため、特に効果があった。その他全ての問題において、問題文の読み飛ばしがないか何度も確認しながら書いた。クリエイトでの日頃の訓練のおかげで、文章を書きながらもいろいろなことに気を配ることができるようになっていた。

 また、イメージ記憶訓練のおかげか、問題文にサーッと目を通しながら、まるで映画を見ているかのように問題文に書かれている状況を把握することができた。時間の節約にもなるため、見直しの時間も多くとれた。速読訓練はこのようにして私を助けてくれた。

●速読と文演と松田先生の指導が絡み合って力がついたこと

 神戸大学の一次試験は、大量の指示を注意深く読ませた上で「ステートメント」を書かせるというものだった。この一次試験で、出願者774人中の321人が落ちた。私がその中でも落ちない文章を書けたのは、松田先生が私の性格面に対して正直に指摘してくれたからだ。

 「私はあなたが弁護士になっても、あなたに依頼したくはありません。なぜなら軽率で不注意だからです。あなたの態度からは、人の生命や財産を守るという自覚がまるで感じられません。性格は文章に表れます。そこを意識して修正していかないと……」

 人によっては松田先生から離れていくかもしれない痛烈な言葉だが、はっきりと指摘してくれた。私はとても嬉しくて、この言葉を私の日記の『忘れない助言』の欄に書き記した。そのときから、文章を読む、そして書くことに対する私の意識が変わった。その結果、生活態度も変わってきた。

 それに伴い、私の脳に変化が起こった。その変化に父が気づいて、ある日の夕飯時に私に言った。

 「前まで佳代は、『ごじゃっぺ』だった。俺の田舎の言葉で、要領を得ずごちゃごちゃ話す頭の悪い人をごじゃっぺというんだけどね。佳代はなにか説明しようとすると、あとあと自分が何を話しているのかわからなくなっていた。例えば、Aに関して話していても、途中で枝葉の部分に関して突然何かを思いつくとそのままBという話をし始め、そしてまた途中で枝葉の部分に関して思いついたCという話をし始める……というふうに、結局Aとは何ら無関係な話になって終わる始末だったんだよ。ところが最近そうじゃなくなったね。どうして?」と。

 これは私も感じていたことだった。速読でロジカルテストイメージ記憶訓練をしたことや受講中に本を沢山読んだことに加え、文演で文章の書き方を教わった後、神戸大一次試験用に問いに答える文章を必死に作成した結果、頭の中で自分の話の構造が見えるようになっていったのだ。同時に、他人の発言の中の論理矛盾が分かるようになっていった。私に欠落していたこれらの能力が目覚めだした。

 これを父に話すと、「やはりクリエイトかぁ!! 出会えてよかったなあ! 佳代はクリエイトに行ってから本当に良くなったよ。ごじゃっぺのままだったら普通に就職しても大変苦労したと思うけど、自分の能力を超えるものを目指したからこそ進化できたんだろうな」と言われた。

 「あのどん底の中、クリエイトを探しあてて通い始めたこともお前の能力だよ。自分の弱点と正面から向き合って、それを突破しようとせずに止めてしまう人達もいるんだからね。佳代がクリエイトを見つけるまで、そしてクリエイトに通いだしてからの姿を『お父さんの体験記』という題で一筆書きたいなぁ!」と笑っていた。

 司法試験という私の能力を超えるものに挑戦する過程で必要とされている一つ一つの能力を強化する努力をしていくうちに、私は大きく成長できた。クリエイトがその一つ一つを手助けしてくれた。クリエイトなしには進化できなかった。

 最後に、クリエイトの先生方に大変感謝している。
 A先生にはよく相談にのってもらい、太陽のような笑顔でいつも励ましてもらった。私の表情を見ては私の精神状況を察して元気づけてくれた。

 また、神戸大受験のため新幹線に乗りこむ前にボストンバックを引きながら速読へ行った際、桑田先生と女性スタッフの方がクリエイトのエレベーター前までわざわざ出てきてくれて、「静かな気持ちで頑張って!!!」と送り出してくれた。2人の声援にとても力づけられた。

 神戸受験から帰った後も、「皆川さん今回は本当にいい顔してるわねぇ! 受かってそうね!!」と先生同士で嬉しそうに話しているのが聞こえてきた。
 そして松田先生は、私の神戸合格をブログにまで書き込んで喜んでくれた。

 たくさんの生徒がいるのに、たかが一生徒を先生方はこんなにも大切に思ってくれていると思い、感謝の気持ちで一杯になった。熱意と愛情あふれる先生方に支えてもらったから、止めないでこられたし、進化することができた。

 本当にありがとうございました。

  • ※2007年度入試= 2007年4月に入学させる生徒を決めるために、2006年6月~2007年3月までに行う入試のことです。
  • ※2010年9月13日付ブログ「今年一番のサプライズ」

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通教と通学から修得した速読技術

多田 陽介

1.はじめに

 私は、2006年6月1日にユーキャン『新・速読講座』(以下、「通教」とする)を受講開始し、10月8日に修了することができた。そして、掴んだ速読の技術をもっと確固にしたいと思い、クリエイト速読スクールへの通学を決意した。現在(06.12.8)、35回教室で受講した。

 通学して感じたことは、まず、「通教」と「通学」の間には基本的に差異はないということである。創意工夫された通教のプログラムにより私は速読の技術を修得した。実際、効果も挙げた。したがって、通教には大いに感謝している。

 しかし、一方で、もっと早くから通学しておけばよかったとも思う。なぜなら、教室には「周りの受講生の真剣さ」・「講師の方々のアドバイスによる軌道修正」などの刺激がある。その刺激が速読技術のレベルを深くしてくれていると実感できたからである。

2.通教での格闘

 速読をはじめた理由は法科大学院入学に必須な適性試験の対策のためである。経験上、適性試験は時間との勝負である。

 つまり、十分な時間があれば解けるけれど、制限時間内では処理できないのが私の実感する適性試験である。それゆえ、正確で迅速な情報処理能力が必要であると思い、私は速読を身につけようと思った。

 ユーキャンの講座にしたのは、値段が手頃なこと。また、『速読らくらくエクササイズ』でクリエイトの速読理論の実用性を体感していた(本についている練習を10回しただけで法科大学院適性試験の模試でそれまでの点数より概ね15点上がった)からである。

 通学でのトレーニング同様、通教の速読トレーニングは(1)認知視野の拡大(2)読書内容への集中(3)読書トレーニングに大別されている。そして、通教では、プログラムが0~Ⅳに分かれていて、順番どおり進めていく。

 各プログラムは(1)(2)(3)へ重点の置き方が違う。序盤の0・Ⅰでは(1)認知視野の拡大、中盤のⅡとⅢでは(2)読書内容への集中、終盤のⅣでは(3)読書トレーニングを中心に養うことができる。ただ、それぞれ独立しているわけではない。段階を追って、前のプログラムの復習と次のプログラムの予習が追加されていくように工夫されている。

 トレーニングはCDに合わせて行う。したがって、聞ける道具・場所さえあれば好きなときに好きな場所でトレーニングできる。私の場合、頭のアップトレーニングとして主に自宅で勉強する前に行っていた。先に速読の訓練をすることで普段の勉強への取り組み方も効率的になった。

 情報処理能力向上にとりわけ貢献したトレーニングは②読書内容集中のためのロジカルテストイメージ記憶である。ロジカルテストにより頭の中をシンプルにすること、イメージ記憶では短い時間内に課題に取り組む集中力を培えた。

 具体的には、日弁連主催法科大学院統一適性試験の苦手としていた第1部(論理的判断力を測る問題)で、2005年48点(平均点59.1)→2006年83点(平均点57.9)に伸びるという成果を上げることができた。

 もっとも、(1)・(3)の分野のトレーニグも役に立ち記録も伸びた。読書速度は800字/分→1,800~2,400字/分になったのである。それゆえ、一日に勉強できる量が増えたこともよかった。

3.通学して

 通学して、読書速度は4,000~8,000字/分に一気に伸びた。さらに伸びる気もする。要因は読書にメリハリがついたからである。重要なところと理解の浅いところを精読し、そうでないところは目を通すだけという感覚が少しずつ実感できてきたのである。

 なぜこの感覚を身につけられたのか。単にトレーニング回数が増えたからだけではない。通教と通学の私の感じた差にヒントがあると私は踏んでいる。

 結論からいうと、教室内の緊張感による集中力の増大と講師の方々によるアドバイスによる取り組み方の変化である。

 教室では、周りの受講生が当然ながら真剣に各トレーニングに励んでいる。そして、時々トレーニングによって、どれだけできたか、どれぐらいのスピードだったかが皆に分かる。競争意識も多少めばえる。

 一方、目の前には前回の自分の記録があり、それを超えることが課題となっている。確かに通教でも負荷を自分自身に最大限かけるようになっているが、この教室の緊張感が今までにない集中力を引き出してくれたのである。

 さらに、トレーニングの要所で講師の適切なアドバイスがはいる。とりわけ私に効いたアドバイスとして、「力まずリラックスしてトレーニングに取り組む方がよい」・「完璧にできなくても気にしないこと」……という趣旨のものである。

 今思えば、通教のとき、訓練中気づかないうちに固くなり、ミス・見落とし・半端な理解が気になっていた。それゆえ、苦手な訓練「倍速読書」に対してのモチベーションが下がっていったのである。

 しかし、教室のトレーニングでは前述のようなアドバイスを随時もらえ、訓練の結果に一喜一憂せず、「楽な気持ち」でトレーニングに取り組めるようになったのである。

 通教では味わえない、教室での緊張感と繊細な講師の対応はクリエイトの大きな魅力の一つだと私は思う。

4.今後

 現在私は、新司法試験に向けて勉強に取り組んでいる。新司法試験突破には、各科目の基本書と大量の判例の読み込みが必須である。速読を身につければ絶対に合格できる試験ではない。

 しかし、野球選手がホームランを打つために素振りをするように、速読(BTRメソッド)は知的作業の基礎体力を培えると実感している。それゆえ、基礎体力不足を自覚する私はこれからもしばらくは法律の勉強の傍らでクリエイト速読スクールに通い続けたい。

 さらに、法曹になってからも、ある事件に対して、その事件に関わる資料と判例をどれだけ読み込むかが大切であるとよく聞く。近い将来、この読み込みの過程に速読の技術が大きな武器となるとも私は感じている。

  • ※氏名は、多田 陽介さんと仮名にさせていただきました。2007.3.7現在の受講回数は52回です。