ワーキングメモリが低い人の特徴とは? 原因や仕事への影響など | 速読ナビ

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ワーキングメモリが低い人の特徴とは? 原因や仕事への影響など

更新日:2024年5月7日 公開日:2023年7月9日

 この記事では、『脳のワーキングメモリを鍛える速読ジム』より、ワーキングメモリに関する記述を、一部編集の上お届けしています。

ワーキングメモリとは「脳のメモ帳」である

 「ワーキングメモリ」(作業記憶)とは、情報を一時的に保持・操作する際に使われる脳の機能です。記憶と処理を同時に行う機能で、たとえるなら「脳の中のメモ帳」のようなものです。

 たとえば、計算問題を解くとき、私たちは頭に数を一時的に残しながら暗算をします。また、料理のときには、いま作業中の手順を頭にメモしながら、次の手順を導き出します。私たちはワーキングメモリをうまく活用することによって、複雑な思考や行動を行うことができます。

ワーキングメモリにも4種類ある

 一言でワーキングメモリといっても、その中身は

  • 視空間スケッチパッド
  • エピソードバッファ
  • 音韻ループ
  • 中央実行系

 とさらに4つの細かな機能に分類されます。

 以下の記事で詳しく解説をしていますので、ぜひご一読ください。

 参考:ワーキングメモリの4つの機能

ワーキングメモリが低い人の特徴

思考がストップしやすい

 もし、ワーキングメモリが低く、頭の中にメモが一つか二つしかできなければ、たくさんの情報が入ってきたときに、思考はストップしてしまいます。しかし、たくさんのメモを取ることができれば、効率よく情報を整理することができます。

情報の取捨選択ができない

 ワーキングメモリのもう一つの大事な機能は、ものごとに優先順位をつけて集中することです。不必要な情報を選り分け、いま必要としている情報のみを選びとるときにも、ワーキングメモリが必要です。

 たとえば、仕事の資料を読むときのことを考えてみましょう。静かなオフィスでは、ページに目を通すのは、それほど難しくないと思います。しかし、これが自宅で家族に囲まれ、テレビがついた居間では、とたんに内容を理解しづらくなります。さらに、大きな音が鳴っているお祭りの会場だったりしたら、中身を読み取ることはほとんどできないはずです。

老化が進行している可能性がある

 また、加齢によってワーキングメモリの働きが衰えてくることもわかっています。年輩の人を対象に行ったワーキングメモリテストでは、課題遂行に対して不必要な情報をうまく切り捨てることができないため、若い人を対象に行ったテストの記録に比べて年輩の人の記録のほうが悪くなるというデータもあります。

 年齢を重ねると記憶することが苦手になってくる人は多いですが、実は、必要な情報とは関係のない不必要な情報を記憶してしまっている場合も多いのです。

ワーキングメモリが低いと勉強・仕事にも影響する

 同時に複数のことをこなそうとするときに、ワーキングメモリにはより負荷がかかります。しかし、現実には、私たちがクリアしなければならない課題のほとんどが、この同時処理を要求されます。

ワーキングメモリが低いと -読書や勉強-

 私たちは、読書や勉強においてワーキングメモリを活用しています。書いてある文章の内容を一時的に頭に保持し、その内容に検討を加えることで、私たちは情報を理解していきます。

 もし、頭の中の情報をメモするスペースが小さく、すぐにいっぱいになってしまったら、次の文章を読もうとしても新しい内容を理解することはできません。その結果、読書スピードは遅くなってしまいます。

 しかし、ワーキングメモリが高ければ、たくさんの情報をメモしておくことができるので、効率よく文章内容を整理することができ、素早く情報を理解することが可能になります。

ワーキングメモリが低いと -大人の場合-

 たとえば、仕事でプレゼンテーションをするときは、自分の話す内容だけではなく、聴いている人の反応や、会場の雰囲気、自分の身振りや予想される質問など、様々なことを同時に気にかけなければなりません。

 「単に覚えていることを話す」のではなく、「聴いている人の心に残るように効果的に話す」には、たくさんのことを処理する必要があります。

 それゆえ、ワーキングメモリの容量の差が、勉強や仕事といった知的作業の成果を分ける差になってしまうのです。

ワーキングメモリが低い原因

 多くの場合、ワーキングメモリが低い原因は訓練不足にあります。

 実は、ワーキングメモリは鍛えることができます。これは脳の可塑性から説明できます。「脳の可塑性」とは、たとえば、人差し指を失うとそこからの情報は脳に送られてこなくなり、脳のその領域は縮小しますが、一方で中指からの情報を受け取る領域が拡大し始めるというように、状況に応じて脳の領域地図が書き換えられていくことをいいます。

 この現象は、情報を保持するワーキングメモリの領域についてもあてはまり、トレーニングによってその地図の書き換えが可能です。

 クリエイト速読スクールが提供するBTRメソッドのトレーニングは、ワーキングメモリを鍛えるために非常に有効です。教室では、各自の制限時間の中で負荷をかけながら、頭をフル回転させるトレーニングを繰り返していきます。

 くわしく知りたい方は、ブログ内に膨大なデータとコメントを公開していますので、チェックしてみてください。

ワーキングメモリを鍛えてみよう

 BTRメソッドでは、中盤の訓練において、ワーキングメモリを鍛えるトレーニングが多数用意されています。

 この記事では、トレーニングの一つ、スピードチェック訓練をご体験いただきます。

使用する教材

 以下のリンクもしくは画像から、プリントを2部印刷し、お手元にご準備ください。

 同じ問題を2部使用します。

 スピードチェック印刷ページ

※教材はクリエイト速読スクールの所有物であり、私的利用に限って利用を認めるものとします。

トレーニング目的

 速さと正確さを同時に追求していくことを目的としたトレーニングです。目と手を同時に使うことによって、ワーキングメモリだけではなく、集中力も鍛えられます。

トレーニング方法

  • 制限時間は1分間です。
  • 左側にゴシック(漢字)で書かれている漢字と同じものを、その右側の8個から素早く見つけ出し、◯印をつけていきます。
  • チェックすることができた◯の数が、ご自身の記録です。
  • 間に休憩を挟みつつ、同じ問題用紙を使って、2回行ってください。

それでは、トレーニングはじめ。

 タイマーなどを利用して、実際に挑戦してみましょう。

 記事の続きは、トレーニング後にご覧ください。

トレーニングの補足

 トレーニングお疲れ様でした。ゲーム感覚で楽しんでいただけたのではないでしょうか。以下、トレーニングに関する補足です。

自分のワーキングメモリは高い? 低い?

 教室に通う20代〜30代男性の入会時平均スコアは、1回目18、2回目20です。

 現役の東大生やコンサルタントなど、情報処理能力が高いとされる属性の方は、スコアが高い傾向にあります。

スピードチェックのコツ

 文字量を多く目に入れる意識が欠かせません。文字慣れしていることが結果に如実に表れますので、読書習慣を身につけるとより多くチェックがつけられます。

日常生活への活かし方 

 全力でやると、集中力が養えます。そのときの姿勢が、自分が最も集中できるポジションです。

 普段の勉強や仕事も、その姿勢で、その集中力で取り組んでみましょう。頭がクリアなまま、長時間勉強に取り組めるはずです。

クリエイト速読スクールのご紹介

 クリエイト速読スクールでは、読書に必要な認知機能を鍛える、さまざまなトレーニングをご用意しています。

 どのようなトレーニングを行い、どのような成果をあげているのか。どうぞ、当ブログの「受講生の声」カテゴリをご一読ください。

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